LEDとMOS FETチップの組み合わせで
リレーの機能を実現した半導体リレー
MOS FETリレーとは、主に信号の開閉・接続に使用される無接点リレーです。メカニカルリレーと半導体の両方の特長を持っており、半導体検査装置や各種計測機器、セキュリティ機器など、その他幅広いアプリケーションに使用されています。
MOS FETリレー 断面図
MOS FETリレーとは、出力素子にMOS FETを用いた半導体リレーです。
MOS FETリレーは以下の3つのチップで構成されています。
MOS FETリレーの原理と働き
10個分の実装面積で比較した場合(0.3mm間隔で実装)
接点がない(=機械的寿命がない)ため、リレーを多く使用している商品においてメンテナンス頻度削減に貢献します。
メカニカルリレーと比べ、接点のないMOS FETリレーは、ON抵抗は開閉回数に依存しません。安定した低ON抵抗が続きます。
リードリレーと比べて、入力側の消費電力が非常に低いため、機器の省エネに貢献します。
メカニカルリレー (リード) | VS | MOS FETリレー |
---|---|---|
機械的な接点なし =コンタクト音なし | ||
機械的な接点なし =接点バウンスなし | ||
コイルから発生するサージ(逆起電圧)から周辺回路を保護するためにサージアブソーバが必要 | コイルがないのでサージ (逆起電圧)が発生しない | |
G6S-2F DC 220V | メカニカルリレーに匹敵する 高電圧タイプもご用意G3VM-601DY1 最大DC 600V | |
G6S-2F AC 2000V(1分間) | メカニカルリレーに匹敵する 高耐電圧タイプもご用意G3VM-601DY1 最大AC 5,000V (1分間) |
トランジスタカプラやトライアックカプラの出力側素子はリニアリティが低いため、出力間を通過する信号に歪みが生じてしまいます。
MOS FETリレーはトランジスタカプラやトライアックカプラと違い、メカニカルリレーに匹敵する優れたリニアリティ特性により、信号の歪みを抑制します。
アナログ信号を制御可能なため、テスター・計測機器に最適です。
MOS FETリレーの場合、出力切替電流は入力電流の影響を受けません。
MOS FETリレーは非常に小さな電流で動作することが可能なため、機器の省電力化に貢献します。寿命後も、トランジスタカプラのように出力電流が下がることはありません。
トランジスタカプラは、入力側の電流を大きくすることで出力側の電流も大きくなるため、MOS FETリレーに比べて電力を多く消費します。
そのため、LED劣化により出力も弱くなるため、より多くの電力を必要とします。
トランジスタカプラ | G3VM-61CR1 (MOS FET リレー) | |
---|---|---|
LED 入力電流 | 1~10mA | 5mA |
出力切替電流 | 1~20mA | 最大10,000mA C接続 |
他の半導体デバイスに比べて、オフ状態時の漏れ電流が非常に小さいため、微小電流の測定にも対応可能です。無駄な漏れ電流を抑制することで性能劣化の要因となる発熱低下や回路の誤動作抑制に貢献します。
トランジスタカプラ | トライアックカプラ | G3VM-41GR8 (MOS FETリレー) | |
---|---|---|---|
漏れ電流 | 約10uA | 約100nA | 最大1nA |
ACとDC両方に対応できるバリエーション展開で使用アプリケーションの幅を広げます。
トランジスタカプラ | トライアックカプラ | MOS FETリレー |
---|---|---|
DCのみ | ACのみ | ACまたはDCに対応 |
ON抵抗が低いため低発熱。
ヒートシンクなどの熱を逃がす部品が不要です。
パッケージ種類
MOS FETリレー 形式基準
MOS FETリレー 梱包種類
商品マップ
オムロンは幅広いラインアップのMOS FETリレーをご用意しておりますので、
お客様のアプリケーションに合った商品を選定いただけます。
MOS FETリレーの選定は、商品選定ガイドラインを参考ください。
商品選定ガイドライン
多種接点タイプ | おすすめのラインアップはこちら |
ノーマリークローズタイプ | おすすめのラインアップはこちら |
高絶縁タイプ | おすすめのラインアップはこちら |
電圧駆動タイプ | おすすめのラインアップはこちら |
高感度タイプ | おすすめのラインアップはこちら |
汎用タイプ | おすすめのラインアップはこちら |
高容量&低オン抵抗タイプ | おすすめのラインアップはこちら |
カレントリミットタイプ | おすすめのラインアップはこちら |