スイッチの基礎知識:基礎編
定義
外部からの力を受け、機械的に電気信号の切り替えを行う部品をいいます。
電気回路のオン/オフを操作したり、切り替えに使用されます。
1. 回路のオン/オフ操作
スイッチを押していないときは接点が離れているため、回路がつながらずランプは点灯しません。
スイッチを押すと接点が接触し、回路がつながるので、ランプが点灯します。
2. 回路の切り替え操作
スイッチを操作していないときは、L1の経路でランプが点灯しています。
スイッチを押すと、L2の経路でランプが点灯するように回路が切り替わります。
種類と分類
1. 種類
スイッチにはさまざまな種類があり、大きさや堅牢性、環境性等によって、産業機器・設備用と業務・民生機器用に分けられます。
2. 分類
接触形式
1. a接点
a接点とは、スイッチを操作すると開いていた回路が閉じる接点構成をいいます。
スイッチを押していないときは接点が離れているため、回路がつながらずランプは点灯しません。
スイッチを押すと接点が接触し、回路がつながるので、ランプが点灯します。
スイッチを操作すると負荷が動作する使い方の場合、a接点を使用します。
2. b接点
b接点とは、スイッチを操作すると閉じていた回路が開く接点構成をいいます。
スイッチを押していないときは、すでに回路がつながっているのでランプは点灯しています。
スイッチを押すと接点が離れて、つながっていた回路がきれるのでランプが消灯します。
スイッチを操作することで、負荷の動作を止める使い方の場合、b接点を使用します。
3. c接点
c接点とは、1つのスイッチの中にa接点、b接点の両方をもった接点構成をいいます。
スイッチを操作することで、2つの回路を切り替える使い方の場合、c接点を使用します。
極と投
極(pole)とは、1度の操作でスイッチが開閉できる回路数をいいます。
投(throw)は接点数を表し、a、b接点は単投(single throw)、c接点は双投(double throw)ともいいます。
1つのスイッチにおいて、1度の操作で1回路の開閉ができるものを1極、また2回路、3回路を同時に開閉できるものを2極、3極といいます。
1極単投形 (単極単投形) |
a接点あるいは、b接点1回路を内蔵したスイッチ | |
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1極双投形 (単極双投形) |
c接点1回路を内蔵したスイッチ | |
2極単投形 (双極単投形) |
a接点あるいは、b接点2回路を内蔵したスイッチ | |
2極双投形 (双極双投形) |
c接点2回路を内蔵したスイッチ |
スイッチを操作することで、同時に複数の回路を開閉するときは多極のスイッチを使います。
動作
操作スイッチには、モーメンタリ動作とオルタネート動作の2つの動作様式があります。
モーメンタリ動作は押しているときだけオンとなります。オルタネート動作は押した後もオンが保持され、もう一度押すとオフになります。
1. モーメンタリ動作
押している間はスイッチがオンしています。手を離すとオフします。たとえば、クレーンゲームでは、スイッチを押している間だけクレーンが動きます。
2. オルタネート動作
一度押すとオンし、手を離してもオン状態は保持され、オフにするにはもう一度スイッチを押します。
たとえば、テレビ本体の電源スイッチはオルタネート動作になります。
主電源スイッチのように長時間オン状態を維持するものはオルタネート動作が使われます。
負荷
負荷とは、スイッチによってオン/オフされる対象をいいます。
電気回路に接続されて、電気エネルギーを消費するものを負荷といい、誘導負荷と無誘導負荷に分けられます。
誘導負荷はモータのようなコイルで構成された負荷をいい、無誘導負荷はランプ負荷と抵抗負荷に分けられます。
使用する負荷に応じて、それに適したスイッチを選ぶ必要があります。