パワートランジスタにシリコーンを使用しています。リレーに影響しますか?
ID: FAQE10098
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回答回答
シリコーンガスがリレー内部に侵入すると、接触不良の原因となります。
Explanation解説
シリコーンによる接触不良発生メカニズム
- シリコーンガス雰囲気中で使用。
- リレーのケースや勘合隙間よりリレー内部へシリコーンガスが侵入(プラスチック・シール形でもガスは侵入します)。
- 接点負荷開閉時のアークエネルギーにより、有機シリコン(Si)が酸化シリコン(SiO2)となって接触ポイントに付着。
- 開閉回数と共に酸化シリコンが堆積(皮膜の層が増)して、接触抵抗が増大しながら接触不良に至ります。
パワートランジスタのシリコーン使用について
パワートランジスタと放熱板(ヒートシンク)との間にシリコーングリスを使用されることがありますが、パワートランジスタ(Tr)からの発熱によりシリコーングリスからシリコーンガスが発生します。
シリコーングリスに含まれるシリコーンの含有量や、リレーで開閉される負荷の大小により、リレーが接触障害に至る期間が変化します。
微小負荷開閉においては、生成されたシリコーン皮膜を破壊できず早期に接触障害に至り、パワー開閉においては、シリコーン被膜をアークで破壊するので長期の中で接触障害に至る原因になります。
リレーの不具合事例や対策については、The 解決[一般リレー編]をご参照ください。
ワンポイントアドバイス
シリコーングリス以外にも有機シリコンを含有してるボンドなどの使用はしないでください。シリコーン非含有品をご使用ください。
商品カテゴリー | リレー 信号用リレー パワーリレー |
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分類 | トラブルシューティング |
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Q
リレーの側面にシリコンコーティングしています。コーティング剤の中に 「シロキサン(低分子シロキサン低減品)」が入っているが、この物質の影響で接触不良のようなことがおきますか?ウレタン系のコーティングはどうですか?
- A
シロキサンを含まないコーティング剤を使用してください。 低分子シロキサン低減品においても、リレー接点の接触障害に至る原因になります。
ウレタン系のコーティング剤は、使用可能です。
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Q
リレーのシール性について教えてください。
- A
リレーは、耐フラックス形、プラスチックシール形、閉鎖形があります。 密封構造のリレーは、プラスチックシール形です。
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Q
リレーで動作不良に至る原因はどのようなことが考えられますか?
- A
コイルに電圧が正常に印加されているにも関わらず接点が動作(導通)しない場合、リレーの駆動系(コイル)の不良、負荷を開閉する接点接触系の不具合が考えられます。