リレーのコイルが焼けました。原因は何でしょうか?

ID: FAQE10093

更新:

回答回答

リレーのコイルへの過電圧印加が推測されます。リレーのコイルに過電圧が印加されると、リレーコイルが異常発熱しコイルの芯線がレアショートすることにより断線に至る場合があります。
外観的には、軽度の場合はコイル線表面の変色やコイル外装テープの溶け程度ですが、ひどいものはとコイル線の被覆の溶融、コイル巻線のスプールの溶融・変形やリレー外観上でのケース膨れに至ります。

Explanation解説

コイルのレアショート
リレーコイルに通電すると、ジュール熱でコイル線が発熱して温度が上昇します。 過電圧が印加されると過度に発熱し被覆(一般的にポリウレタン)が溶融してコイル芯線同士がショートするためにコイル抵抗が低下します。 コイル抵抗が低下すると、コイル線に流れる電流が増大するのでさらに発熱が増し、被覆の溶融、芯線のショート、コイル抵抗の低下、発熱の増大というサイクルが加速度的に進み、最終的にはコイル線が焼き切れて溶断に至ります。
各リレーにはコイルの「最大許容電圧」が決められていますのでこれを超える電圧が印加されると、異常発熱、被覆の溶融を生じてレアショートに至ります。

コイルのレアショート

(参考) ポリウレタン被覆銅線の耐熱温度
リレーに一般的に使用されているポリウレタン被覆銅線の耐熱温度は120℃であり、リレーコイルの定格電圧通電による発熱は、これ以下となるように設計されています。

リレーの不具合事例や対策については、The 解決[一般リレー編]をご参照ください。

ワンポイントアドバイス

  • リレーの駆動回路で、回路故障によりリレーのコイルに異常な過電圧が印加されないようにしてください。
  • リレーを開閉動作しないで長期連続通電するような回路(異常発生時のみ復帰しb側接点で警報を発するような非常灯警報設備、異常点検回路など)で使用する場合には、無励磁となる設計が望まれます。
  • 連続通電が必要なリレーの駆動回路、シーケンス回路においては、ラッチングリレーの使用もご検討ください。
商品カテゴリー リレー 信号用リレー パワーリレー
分類 トラブルシューティング
関連キーワード
  • 信号用リレー
  • パワーリレー
  • コイルの焼け
  • レアショート

Related Questions関連する質問

Q
商品カタログに掲載されているリレーの動作電圧・復帰電圧・最大許容電圧の読み方を教えてください。
A
商品カタログの「定格」操作コイルに掲載している内容は、リレーの定格電圧に対する割合を示しています。
Q
リレーを連続通電して使用しますが、その場合の寿命はどの程度でしょうか?
A
リレーを連続通電で使用した場合の具体的な寿命は規定していません(保証値はありません)。
Q
リレーが使用中に焼損しました。原因は何でしょうか?
A
リレーの焼損には、過電流、過電圧、バイブレーション、短絡などが想定されます。
(リレー構成材料には、難燃性の材料を使っていますので、リレーが炎を上げて連続的に燃えるという意味ではありません。)
Q
リレーで動作不良に至る原因はどのようなことが考えられますか?
A
コイルに電圧が正常に印加されているにも関わらず接点が動作(導通)しない場合、リレーの駆動系(コイル)の不良、負荷を開閉する接点接触系の不具合が考えられます。

お調べの情報が見つからないとき