反射形フォト・マイクロセンサ(フォトインタラプタ)を使用するときの注意点について教えてください。

ID: FAQE40014

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回答回答

反射形フォト・マイクロセンサ(フォトインタラプタ)は、透過形に比べ光電流が小さく、検出物体の大きさ、色、表面状態、検出距離などによる変動要因が多いため、実機にてこのような変動要因による光電流の最悪値を想定した評価が必要です。

Explanation解説

フォト・マイクロセンサは半導体部品で構成されているため、個々のセンサの光電流は異なります。オムロンの代表的な反射形フォト・マイクロセンサ:形EE-SY110の場合、光電流は200~2,000μAの範囲内に分布しています(下表参照)。 測定条件として検出物体は市販の反射率90%の白色紙を使用していますが、実際のアプリケーションでは、これを検出物体とすることはほとんどありません。 各種検出物体における光電流の検出特性例を下図に示します(曲線:bが白色紙です)。 実際の検出物体とこの白色紙との相関関係を確認することで、光電流の最下限値および最上限値のセンサを使用しても検出できるようにしきい値を設定します。さらに、長期間安定検出するには、LEDの経時変化や検出物体の反射率(色あせ、汚れなど)、周囲温度の変化などによる光電流の変化分も考慮する必要があります。 また、反射形フォト・マイクロセンサは、外乱光の影響を受けやすい構造であるため、それを避けるための機器構造上での工夫が必要です。
詳しくは、フォト・マイクロセンサの基礎知識:設計編および使用上の注意をご覧ください。

EE-SY110: 電気的および光学的特性(Ta=25℃)
検出特性例(参考値)

ワンポイントアドバイス

フォト・マイクロセンサは、物体が有るときと無いときの受光量の比(シグナル/ノイズ比=S/N比)によって検出します。 フォト・トランジスタ出力タイプの場合、物体が有るとき、無いときの光電流をそれぞれ、IL(S)、 IL(Nとします。 このS/N比=IL(S)/IL(N)の比が大きくなればなるほど、安定して検出することができます。 これに対し、EE-SY110の場合、光電流の分布範囲は、最大値/最小値=2,000μA/200μA=10倍です。 さらに、LEDの経年変化分(一般的に光電流が半減しても動作するように設計)を考慮する必要があります。 これにより、外乱光がなく、背景物体が無い場合は問題なく使用できます。ただし、白色紙上の黒マーク検出など、S/N比が大きくない場合は、外部回路で処理します。
これには、いくつか方法があります。

  • お客様で個体毎に負荷抵抗値を調整する。
  • センサ毎の光電流を測定、グルーピングし、それぞれのグループに合った負荷抵抗を使用する。
  • S/N比が小さいアプリケーションでは、機器に搭載した個々のセンサに対し、検出物体をセットした際のセンサの出力電圧を回路上で記憶させ(機器起動時)、その電圧を基準にしきい値を自動設定する。

商品カテゴリー センサ フォト・マイクロセンサ
分類 使用・アプリケーション
関連キーワード
  • 光センサ
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