リレーの硫化、塩化による接触不良とはどのような現象でしょうか?

ID: FAQE10097

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回答回答

主に微小負荷条件において、硫化ガス雰囲気や塩害の発生しやすい雰囲気で使用することにより、接触面が硫化、または塩化して接触抵抗が上昇し接触不良に至る現象です。

Explanation解説

硫化
硫化ガスと接点材の銀が反応し、硫化銀(Ag₂S)を生成します(淡い紫色から黒色となるほど、硫化銀の厚さが厚くなります)。
硫化銀は絶縁物のため、微小負荷・希頻度開閉で使用すると接触不良になることがあります。

Auクラッド系接点の硫化
Ag系接点の硫化 硫化銀ホイスカ

塩化
塩素ガス雰囲気や海岸近くの塩害(NaCl)が発生するような地域の場合、塩化銀(AgCl・白色)を生成します。
微小負荷・希頻度開閉で使用すると接触不良になることがあります。

Ag系接点の塩化

リレーの不具合事例や対策については、The 解決[一般リレー編]をご参照ください。

ワンポイントアドバイス

  • 硫化ガスや塩化ガス、塩害の雰囲気での使用が避けられない場合は、プラスチック・シール形リレーの使用をご検討ください。
  • リレーの開閉容量などの使用条件でプラスチック・シール形をご使用できない場合は、内装している筐体内の密封性を高めるなどの方策をご検討ください。
  • 微小負荷、希頻度開閉ほど硫化・塩化に対して弱くなります。接点に通電する電圧・電流を上げ、硫化・塩化被膜を破壊する方策もご検討ください。
商品カテゴリー リレー 信号用リレー パワーリレー
分類 トラブルシューティング
関連キーワード
  • 信号用リレー
  • パワーリレー
  • 接触不良
  • 硫化ガス
  • 塩害
  • 接触抵抗

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Q
炭化物による接触不安定、接触不良はどのような現象ですか?
A
負荷の開閉とともに接点に炭化物(カーボン)が生成・堆積して接触不安定、接触不良となります。
特に有機ガスの影響を受けやすく使用環境や微小負荷の開閉で接触不良が発生しやすくなります。
Q
リレーのシール性について教えてください。
A
リレーは、耐フラックス形、プラスチックシール形、閉鎖形があります。 密封構造のリレーは、プラスチックシール形です。
Q
リレーの微小負荷領域での接触信頼性の考え方を教えてください。
A
リレーで微小負荷を開閉する場合、接点の接触抵抗が問題とされることがあります。
偶発的に高い接触抵抗値が生じても、次の動作で回復したりします。また、接点被膜の生成などにより接触抵抗値が上がることもあります。
接触抵抗値について、その値を故障とするかどうかは、使用回路に問題が生じるかどうかで判断します。
このため、リレーの接触抵抗の故障の基準は初期値のみ規定し、最小適用負荷はひとつの目安としてP水準(参考値)などで故障率を表現しています。 なお、リレーの接点には微小負荷開閉に適したものと、そうでないものとがあります。
Q
リレーで動作不良に至る原因はどのようなことが考えられますか?
A
コイルに電圧が正常に印加されているにも関わらず接点が動作(導通)しない場合、リレーの駆動系(コイル)の不良、負荷を開閉する接点接触系の不具合が考えられます。

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