炭化物による接触不安定、接触不良はどのような現象ですか?
ID: FAQE10081
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回答回答
負荷の開閉とともに接点に炭化物(カーボン)が生成・堆積して接触不安定、接触不良となります。
特に有機ガスの影響を受けやすく使用環境や微小負荷の開閉で接触不良が発生しやすくなります。
Explanation解説
開閉する負荷が微小である場合において、リレーが接触不良に至る原因は、使用環境で有機ガスの影響などにより接点に被膜が生成され、接触障害に至ることがあります。
とくに有機シリコンにおいては、侵透性が高くリレー内部に侵入して接触障害に至ります。
- 微小負荷開閉
低電圧 数百mA以下の負荷開閉においては、開閉時のアークが無くグロー放電レベルでの開閉となります。
この様な微小負荷領域の開閉では、開閉時に生成されたカーボンを接点接触部から飛散させる活性化(クリーニング)作用がないため、接点の開閉部に堆積して接触不安定、接触不良に至ります。
数A以上になると、アーク電流でカーボンを飛散させる接触部の活性化作用があるため、カーボンに起因する接触の変動は少なくなります。
負荷電流を数百mA以下へ低下させた場合は、エネルギーが不足し接点間アークが消弧します。 接点間アークは接点上で生成されるカーボンを除去する作用を有しており、アーク消弧に伴い接点上にカーボンが堆積し接触不安定や接触不良に至ります。
微小負荷開閉をご検討の場合は適切なリレーを選定してください。


- 使用環境
有機ガスの雰囲気での使用は、できるだけ避けてください。
詳しくは、The解決[一般リレー編]:CASE09 炭化物による接触不良をご参照ください。
ワンポイントアドバイス
- 微小負荷に強い接点構造のリレーを選定してください。
Ag合金 → Ag → Auメッキ(クラッド) → Auメッキ(クラッド) のクロスバーツイン構造 - 周囲環境の影響を受けにくいタイプのリレーを選定してください。
耐フラックス型→プラスチックシール型
商品カテゴリー | リレー 信号用リレー パワーリレー |
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分類 | トラブルシューティング |
関連キーワード |
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Related Questions関連する質問
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Q
リレーの微小負荷領域での接触信頼性の考え方を教えてください。
- A
リレーで微小負荷を開閉する場合、接点の接触抵抗が問題とされることがあります。
偶発的に高い接触抵抗値が生じても、次の動作で回復したりします。また、接点被膜の生成などにより接触抵抗値が上がることもあります。
接触抵抗値について、その値を故障とするかどうかは、使用回路に問題が生じるかどうかで判断します。
このため、リレーの接触抵抗の故障の基準は初期値のみ規定し、最小適用負荷はひとつの目安としてP水準(参考値)などで故障率を表現しています。 なお、リレーの接点には微小負荷開閉に適したものと、そうでないものとがあります。
-
Q
リレーで微小負荷開閉時の酸化被膜により接触不良になる原因は何が考えられますか?
- A
リレーは負荷開閉を繰り返すうちに接点に酸化皮膜が生成されることがあります。 微小負荷開閉の場合は、開閉によるクリーニング
作用による被膜破壊ができず接触不良に至ります。
-
Q
リレーの硫化、塩化による接触不良とはどのような現象でしょうか?
- A
主に微小負荷条件において、硫化ガス雰囲気や塩害の発生しやすい雰囲気で使用することにより、接触面が硫化、または塩化して接触抵抗が上昇し接触不良に至る現象です。