フォト・マイクロセンサ(フォトインタラプタ)で長期間、安定検出させるにはどのようにすればよいですか?

ID: FAQE40013

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回答回答

フォト・マイクロセンサ(フォトインタラプタ)は、(1) S/N比を大きくすること、(2)最適なしきい値を設定することで、長期間安定して検出することができます。

Explanation解説

  1. S/N比の最大化を図る
    機器内蔵用フォト・マイクロセンサ(フォト・トランジスタ出力)で、検出物体が有るとき(シグナル)の光電流をIL(S)、無いとき(ノイズ) の光電流をIL(N)とします。 このシグナル:IL(S)とノイズ:IL(N)を比較することで、物体の有無を検出します。 よって、物体を安定 して検出するには、シグナル/ノイズ(S/N)比をできるだけ大きくすることが重要です。 アプリケーションに合わせ、機器設計を工夫することで、センサのS/N比を大きくすることができます。
  2. しきい値の最適設定
    工夫を凝らし、センサのS/Nを最大化した機器設計ができたとします。 センサがそのアプリケーション上で長期間、安定検出するには、 目標とする機器の稼働期間内に、シグナル:IL(S)、および、ノイズ:IL(N)がどのように変化するのかを見極めることが必要です。 すなわち、その期間内で、シグナル:IL(S)の最悪値、ノイズ:IL(N)の最悪値がいくらになるのかを、各種評価結果から予測するのです。 IL(S)、,IL(N)が機器稼働中に変化する要因の例として、検出物体の個体ばらつき、機器の構造や摩耗による位置ばらつき、LEDの経時変化、温度変化、粉塵の影響、外乱光の影響などがあります。これらが、評価すべき項目となります。
    結論として、最適なしきい値は、適正な評価結果からシグナル:IL(S)、および、IL(N)の最悪値を予想し、その中間に設定することです。
フォト・マイクロセンサ:物体有無検出における最適しきい値設定

ワンポイントアドバイス

S/Nの最大化について
透過形(溝形)フォト・マイクロセンサの場合は、検出物体が完全不透明体(金属など)であり、かつ、スリットを完全にしゃ光する大きさであれば、S/N比は光電流の個体ばらつきより十分大きいため、一般的に特別な工夫は不要です。 ただし、検出物体として、黒色プラスチック板を使用する場合は、板厚や着色剤の量によっては、十分ににしゃ光できない場合があるため、実物にて事前に評価してください。
また、ノイズ成分である外乱光が入光しないよう留意してください。
反射形フォト・マイクロセンサの場合は、検出物体の個体ばらつき(形状・サイズ、反射率、表面状態)やその変化、検出物体の位置、角度ばらつき、背景物体の影響など、透過形(溝形)に比べ、変動要因が多いため、S/N比をできるだけ大きくする工夫が必要です。
アプリケーションによって、S/N比を大きくする方法は数多くありますが、そのヒントとなる例を以下に紹介します。

■背景物体の有る場合:ノイズを小さくする

  • 【背景物体を無くす】
    背景物体が機器のフレームなどの場合は、穴をあけるなど機器設計を工夫する。
  • 【背景物体からの反射光を減らす】
    背景物体を低反射率の表面(黒色、粗面など)に加工する。もしくは低反射のシートを貼る。
  • 【背景物体からの反射光を減らす】
    背景物体表面を光沢面とし、角度をつけて反射光がセンサに入光しないようにする。
    検出物体が粗面である場合は、センサを傾けて設置し、背景物体からの反射光を減らす。
  • 【センサを変更する】
    検出物体の距離を近づけて、近距離タイプのセンサを使用する。 (例)形EE-SY1200
  • 【センサを変更する】
    限定反射形センサを使用する。 (例) 形B5W-LB

■検出物体について:シグナルを大きくする

  • 使用するセンサの"検出距離特性(グラフ)"から、受光量がピークとなる距離を検出距離に設定する。
  • 使用するセンサの光スポットより大きい検出物体で設計する。

■検出物体が小さい場合:シグナルを大きくする

  • 【センサを変更する】
    光スポットの小さいセンサを使用する。 (例)形EE-SY169A(B)

商品カテゴリー センサ フォト・マイクロセンサ
分類 使用・アプリケーション
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