透過形フォト・マイクロセンサ(フォトインタラプタ)の検出位置精度はどれくらいですか?
ID: FAQE40007
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回答回答
透過形フォト・マイクロセンサ(フォトインタラプタ)では、そのセンサのスリット幅が検出位置範囲の最大値となります。
Explanation解説
透過形(溝形)フォト・マイクロセンサでは、検出位置範囲はスリット幅に依存します。 オムロンのセンサの代表的なスリット幅は0.5mmです。 この場合、検出位置精度は、±0.25mmとなります。 検出位置とスリットの関係を下図に示します。 図のようにセンサ出力はスリット幅の中で反転しますが、この検出位置は外部回路のしきい値をどのように設定するかで変化することがわかります。
フォト・マイクロセンサは、半導体部品で構成されているため、個々のセンサの光電流は異なります。
例えば代表的な溝形センサ:EE-SX1081の光電流は、0.5~14 mAの範囲内に分布しています(下表参照)。 下図のように、この光電流によっても検出位置が変化します。
また、LEDの特性として発光出力の経時変化があります。 この発光出力の低下により、光電流も減少します。 したがって、LEDの経年変化によって、検出位置は初期値から徐々に変化します(下図参照)。 機器設計においては、フォトマイクロセンサの検出位置は、このような理由でスリット幅の範囲内と考えてください。
ワンポイントアドバイス
- フォト・マイクロセンサには、フォト・トランジスタ出力タイプ(外部回路でしきい値設定)とフォト・IC出力タイプ(内部回路でしきい値固定)があります。 データシートには、それぞれ、”検出位置特性”、”繰り返し検出位置特性”を特性データ(参考値)として記載しています。 下図のように、繰り返し検出位置を20回測定した結果から、そのばらつきは0.01 mmと高精度であると言えます。
これは、光を利用した非接触スイッチの長所でもあります。 ただし、機器での長期間使用の場合、光電流の変化(LEDの経年変化や温度変化、レンズの汚れなど)により検出位置は徐々に変化します。 よって、高精度な位置検出が長期間必要な場合は、検出位置と光電流の関係性を考慮し、実機にて光電流を変化させた評価をされることをお薦めします。 - オムロンの透過形フォト・マイクロセンサは、スリット方向が垂直のものが大半を占めていますが、一部に水平タイプ(EE-SX1096など)もご用意しています。 検出物体の上下方向の位置決め精度を高めたい場合にご検討ください。
商品カテゴリー | センサ フォト・マイクロセンサ |
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