
デバイス&モジュールソリューションズカンパニー社長
行本 閑人
我々の“繋ぐ・切る”技術を軸に、顧客と共に社会課題を解決する
電子部品事業は、SF2030*1において、3つのトランスフォーメーションを実現していきます。
1つ目は、事業のトランスフォーメーションです。オムロンの注力ドメインの一つとして、「カーボンニュートラルの実現」「デジタル化社会」の社会的課題を解決する事業を目指します。その意思を込めて、12年ぶりに事業のカンパニー名称を、「エレクトロニック&メカニカルコンポーネンツビジネスカンパニー」から「デバイス&モジュールソリューションズカンパニー」に2022年4月1日付で変更しました。コア技術と多彩な機能の組み合わせで製品の価値を向上させ、お客様が必要な機能をデバイス&モジュールを軸としたソリューションとして提供し、社会課題の解決に取り組んでいきます。コアとなる“繋ぐ・切る”技術は、創業以来、社会・お客様に提供し続けているリレー、スイッチ、コネクタ、センサなどのデバイス&モジュールの高機能化と品質向上で磨き続けてきた製品に流れる電気を繋ぐ・切る(オン・オフする)機能や、センシングする機能です。これらで、「新エネルギー*2と高速通信の普及」に貢献する新たな社会価値を創出していきます。
2つ目は、注力領域のシフトです。コア技術を軸とした事業の強みが最大限発揮でき、さらなる成長機会が見込まれる4つの事業領域にフォーカスしていきます。注力領域は、DCドライブ機器、DCインフラ機器、高周波機器、遠隔/VR機器です。DCドライブ機器、DCインフラ機器においては、環境負荷対応により電源の直流化・高容量化、インフラの電動化が進んでいきます。製品の普及促進に向けて課題となるのが、感電や発火を防ぐための安全対策です。高周波機器、遠隔/VR機器においては、急速なデジタルシフトで高速通信・データの大容量化を実現する技術・デバイスが必要となります。これら課題解決の根幹を、我々の“繋ぐ・切る”技術で実現します。
3つ目は、提供価値のシフトです。これまでの価値に加えて、「グリーン・デジタル・スピード」を軸とした新たな価値を加えていきます。脱炭素社会の実現に貢献するデバイス群の創出、デジタル価値の提供、営業・開発・生産が一体となり、社会変化に柔軟かつタイムリーに対応するコンカレント活動などにより提供価値スピードを加速していきます。
2021年度は、モジュール化による付加価値の向上や構造改革の完遂とともに、部材不足や物流混乱などの影響を受ける中でも需要にタイムリーに応える体制を構築してきました。トランスフォーメーションとして位置付けた最初の中期経営計画では、3つのトランスフォーメーションを完遂することで、デバイス&モジュールの提供にとどまらない付加価値をソリューションとして提供します。2022年度は社会課題解決を起点に、営業・生産・開発が一体となったコンカレント活動で社会に必要なキーデバイスをお客様とともに創出し、さらなる成長を遂げていきます。
*1 「SF2030」とは長期ビジョンの事を指す
*2 新エネルギー:再生可能エネルギーと水素、燃料電池などの革新的なエネルギーを称す